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【ICRF日本委員会 家庭連合とそれ以降】『日本の信教の自由と民主主義の危機』

1997年に米国で発足し、世界的に信教の自由と宗教に対する偏見や抑圧から人権を守るための活動を展開してきた「国際宗教自由連合」(ICRF)。その日本委員会(代表=伊東正一九州大学名誉教授)が主催した巡回講演会の一環として12月8日、東京都内で「日本の信教の自由と民主主義の危機」が開催された。講演会ではトランプ次期米大統領の宗教顧問を務めるポーラ・ホワイト牧師によるビデオメッセージが披露された。

さる7月22日のICRF日本委員会総会でも講演した、イタリアのジャーナリストで宗教の自由と人権に関するウェブメディア「Biter Winter」誌担当ディレクターであるマルコ・レスピンティ氏が4カ都市で巡回講演会するため再び来日。

「Biter Winter」誌ではチベット・ウイグルの中国共産党の宗教弾圧状況のほか、安倍晋三元首相暗殺以後の世界平和統一家庭連合(=家庭連合、旧統一教会)へのメディア偏向報道や政府による解散命令請求の不公正さを世界に伝えてきた。

主催者挨拶でICRF日本委のペマ・ギャルポ副委員長は、「宗教の自由を考えると、釈迦、キリスト、ムハンマドの時代でも宗教迫害があった。また共産主義によりたくさんの宗教者が殺されたりし、自由を守るのは簡単なことではない。だが戦後、信教の自由は法制化された。政教分離は、宗教を迫害するものではなく、自由を保証するためのもの。ICRFの会合ではダライ・ラマ法王日本代表部やウイグルの代表など多くの宗教者が参加している」と述べた。

続いて基調講演に移り、レスピンティ氏は「日本を裁くつもりはない」と断りつつ、「信教の自由は今の世界で最も脅かされている人権だ」として、国際人権法の専門家パトリシア・デュバル弁護士による国連機関に提出された報告書の内容を紹介した上で、「日本政府による家庭連合に対する解散命令請求は重大な人権抑圧で民主主義に対する攻撃であり自由の解体だ」として、ナチスドイツによるホロコーストに対し声を上げなかった人間の「悔悟」を表現したマルティン・ニーメラー牧師の著名な詩を紹介して講演を締めくくった。

次に、アメリカのトランプ次期大統領の宗教顧問を務めるホワイト牧師が寄せたビデオメッセージで、ホワイト氏は「2期目の当選を果たしたトランプ大統領は宗教の自由の非常に強力な支持者であり、あらゆる信仰とあらゆる人々の宗教の自由に対する、揺るぎない支持を強める」との見通しを語る一方で、「他のすべての自由の基礎」とした「信教の自由」については、指導的自由民主国家である日本が現在宗教の自由を侵害しているとの疑義を、2022〜23年の米国務省の報告書で呈したことを紹介。

今年4月、宗教の自由と人権に関する報告者を通じ国連勧告を発行し、国連人権宣言と市民的政治的権利に関する国際規約に遵守への疑問を呈し、「子供に教会に行くよう強く勧める親は児童虐待とみなされる可能性」のある日本政府のガイドラインは、「エホバの証人の信者に対する暴力や身体的攻撃、家庭連合や他の宗教に対する迫害の直接的な原因となっている」と指摘。これを受け、米国の現職下院議員、元国家元首、前米国務長官、元米国下院議長らから岸田文雄前首相や前外相、裁判所宛てに書簡が送られており、エホバの証人と統一教会・家庭連合に対する権利侵害を止めることを日本に求める学者専門家らと共に、我々は同盟国・日本に対し、すべての人々の宗教の自由を守るよう強く求めたい」とし、「全世界の自由のための日米同盟に神の祝福を」と訴えた。

続いて、基調講演2として、家庭連合の田中富広会長が登壇し、冒頭に「メディア報道等を通じ世間や国会を騒がせ、さらに国民に宗教団体への社会的不信感を助長したことを、率直にお詫び申し上げたい」と述べ、「信教の自由」を主張しなければならない事態に至っていることを陳謝した。

その上で、「他者の為に生きる価値観」を掲げ救国救世の志にあふれる人材を輩出してきたが、「家庭は平和の原点と国家の礎」という人生観を否定する無神論と共産主義思想に拠る勢力の攻撃にさらされた結果として、反対勢力が関わり拉致監禁での強制棄教の問題や「被害者」の話のみ聞き公正中立でない政府の姿勢など、7つの観点で教団が受けてきた被害や迫害の問題に言及した。

最後に、「家庭連合への解散命令は一宗教団体にとどまらず、信教の自由と民主主義の危機」であり、宗教・文化の長い歴史を持つ日本の、国際社会での地位を貶めることのないよう求める大会宣言文を採択し、盛況のうちに講演会を閉幕した。

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